TWIN SHIPS RECORDSIndependent record label in Japan

  • 【クロストーク】miu mau、EP、アルバム、憧れを語る

    2017-07-05 update

    「記憶とヒロイン」リリースツアー3本目となる6/10(土)、熊本の至宝 Doit Science による名物企画  [Art Blakey#49] が熊本Navaroにて開催された。リハーサルを終えたmiu mauは、とあるワインが飲めるお店にて緊張した空気の中、高島×梶原×みわこ、3人のトークが始まった。

     

    【 EP 「記録とヒロイン」について 】

    高島(以下:高): 気楽な感じで始めますか。
    みわこ(以下:み): 無理ー(笑)

    —– 注文いいですか?(店員さん)

    み: うーん、サングリア美味しそうだけど、やっぱりビールにしようかなぁ。
    梶原(以下:梶): 私はサングリア
    高: コーヒーを(お酒が飲めない)

     

    高:ではまず、「記憶とヒロイン」のレコーディング、どんな印象でしたか?
    み:とにかく素敵なレコーディングスタジオだったなぁというイメージです。
    高:堅いなぁ(笑)録音したのは去年の夏頃で、奈良のMORGスタジオでKC君(サウンドエンジニア岩谷啓士郎氏)に録音してもらった。KC君のほんわり感とすぐに理解して音にしてくれるその鋭さとか、レコーディングもなんだか不思議な居心地の良さがあったよね。夜の若草山にみんなで行ってカレーを食べて、色々とても楽しかった。
    梶:スタジオの機材も凄かった。
    み:耳の(形をした)マイクあったよね。触り心地も耳やった!
    高:赤色のギターアンプはなんていうの?
    梶:Bruce Zinky。見た事無いやつだった。あれでほぼほぼ録って、しかもワウも借りたもんね(笑)
    高:音がすごく良かったよね。
    梶:いやー、ほんっっと良かった。それでテンションあがりました。
    高:わりとさくさく進んで、2曲(「少ない記憶」「色を纏う」)の予定だったけれど、結局もう1曲(「流行色のパレット」)録れてラッキーだった。
    み:うん。良かった。
    高:ドラムの録音はどうでしたか?
    み:スタジオはSAKAEのドラムセットだったと、思う。(iPhoneの写真を遡りながら)すごくいいんです。
    高:スネアのチューニングを下げるフィルター?みたいなの使ってたよね。
    み:うん。あれ、ずっと探してるんやけど、楽器屋さんで一回も出会った事ないんよね。
    高:仕上がってきた音聴いてどうだった??
    梶:うん。とても良かった。でもその良かったという事をどういう風に言えばいいのか・・・・とにかく聞いてほしい!という感じです
    み:うん。よかった。でもうまく感想が言えない、、、
    高:とりあえず、飲んでください(笑)
    み:おしゃべりと違うから構えちゃう。

    —–(雑談)注文したドリンクが到着—–

    み:じゃかんぱーい。今日はがんばりましょう〜。

     

    miu mau New EP [記憶とヒロイン] Now on sale

    Release Information

    miu mau NEW EP「記憶とヒロイン」 RELEASE

     

     

     

    【アルバム「Drawing」について】

    高:ではではアルバムの話に戻りますね。アルバム「Drawing」の発売が本当に思いがけず決まって。きっかけはEPの「記憶とヒロイン」をディレクターの神保さんが聴いてくれたことなんだけど。ほんとに急だったので、こんな事ってあるんだなって思った。
    み:うん。気にかけてくださっているということはほんとーーうにありがたいなと思う。
    高:今回のアルバムタイトルは「Drawing」。1stが「Design」というタイトルだったから、次にアルバムをリリースする事があればアート寄りの言葉にしたいなぁってずっと以前から思っていて。でもこのタイトルに決まるまでかーなーり紆余曲折だった。「Drawing」って美術用語。この作品は(過去曲)の展示みたいな要素を感じていて、この9年分をドローイングしたかのように集めた作品集のような、個展のようなそんな感じかなぁ。
    み:そんな意味とはぜんぜんわかってなかったけど、ぱっと見た時の見た目と響きがかっこいいって思った。素敵だなとびびっときました。
    高:そうだね。そもそも、changmangさんが描いてくださった3人のアーティストイメージのイラストをジャケットに起用することはディレクターの神保さんの強い希望もあって決まっていたから、結果的に色々繋がっていったんだけど。なんだか30代を凝縮したアルバムになりましたね。
    み:涙の30代だね(笑)
    高:30代は色々あるよ。
    梶:色々ありましたね。。
    み:トータル楽しかった。今思えばね。
    高:後で振り返って、あー、楽しかったって思えるっていいね。
    み:本当に。いい30代。

    高:遡るけれど、「Monochrome」録ったの、もう割と何年も前だけど、福岡の老舗スタジオHeaconで、石橋さんに録音していただいて。ミキサーも含めて全てアナログの機材で録音してもらった。最後はアナログのテープに落としてもらって、7インチレコードでリリース。色々勉強になった。
    曲によって、色んなエンジニアさんに録音してもらってるから、その度に発見があって面白い!
    み:うん。
    高:福岡のUNKNOWN SOUND STUDIOの山中さんには「見知らぬ場所で」を録ってもらった。今年に入って出来た新曲だから、最新の録音になるけれど、相変わらずめちゃくちゃさくさく進んだよね。
    梶:miu mauは私の中ではさくさく進むイメージ。
    み:うん。miu mauはさくさくだね。
    梶:百蚊はmiumauの8倍はかかるね(笑)
    高:まあレコーディングのペースはみんなそれぞれだからねー。
    高:今回のアルバム、リミックスを除いて全部で9曲。前作が2008年だったから、9年ぶり??
    梶:9年。。。
    高:結成当初からmiu mauはのんびりのペースで活動するというスタイルというのもあって、次のリリースというのはいつも未知数なのだけど、「記憶とヒロイン」がきっかけでまさかのアルバムのリリースが決まって、本当に思いがけずだった。
    み:ねー。10年くらい前の演奏を今出すってちょっと恥ずかしい気もするけどね。
    高:過去にリリースしてきたシングルもアルバムに収録されてるから、9年分の曲が詰まってる。時が経って今は少しこなれた感じもあるけど。
    み:油がのって。(笑) あの頃はフレッシュな感じがあったけど、今はふわっとした感じになっちゃう。
    梶:今日(ライブ)を心配してる(笑)
    高:演奏する時に、気をつけてるというか、タイミングとか流行みたいなのあったりする?
    例えばデモ聴いてこういう風にしようとか。
    み:昔から、何も考えずに演奏するとイケイケドンドンになっちゃうから(笑)気を落ち着かせて、深呼吸して、しゅっとした感じができるようにっ、ていうのは気をつけてるけどね。東京でのライブの時は頭部が痛くて、テンパってなのか、テンポも相当早い気がして、高松の時は(頭部が)痛くなかったから10くらいテンポ落ちてたかな(笑)
    梶:健康第一やね。
    高:ほんと大事。でも、テンポとかはそのライブ感が良いよね。
    み:そうなんだけど、限度もあるしね。熱くなっちゃうんよねライブになると。miu mauの良さを汚す部門になっちゃってる気がして。。。
    高:いやいや熱くなっちゃうところがみわこちゃんのいい所だよ。そもそもmiu mauのイメージって何だと思う?
    み:クールで、オシャレって言われる事が多いから、クールでオシャレな人がどっかんどっかん叩いて、ビール飲んでってイメージと違うんだろうなって思っちゃう。
    高:えー、オシャレな人でめっちゃ飲む人いっぱいる。
    梶:うん。いるいる。
    高:ひろみちゃんは何か気をつけてることある?
    梶:とにかくいまだに緊張がひどい。
    高:えー、そうなのー?百蚊の時は?
    梶:ぜんぜん緊張しない(笑)
    み:今日も高速バスの中で今までになくお腹が痛いって言ってた。
    梶:原因不明の腹痛が起こります。
    高:でも、2人とも責任感もって演奏してるなっていつも思うよ。
    み:いえいえみせかけだけの(笑)
    高:ギターの音作りとか。百蚊の違いとかすごくあると思うけど。
    梶:そうねー。miu mauのときはコーラス深めにかけてるかな。
    高:この前の高松ライブの後に、シンプルなギターすごかったですっていう感想あったよ。
    み:私もあの日、楽しそうに演奏されますねみたいなこと誰かが言ってくれたんだけど、いや、違うんです。ギターの音がたまにしか音が鳴らないのと、初めて聴く音がいっぱい聴こえてきて面白かったんですて言ったら、「え?!」っていう顔してた。miu mauはmiu mauなりに、ライブで何が起こるか分からないっていうおもしろさあるよね。今日もバスの中で、せっかく先週は高松まで久しぶりに行ったのにいつもの半分くらいしか弾いてないから、今日はいつもの倍くらい弾いたらいいんじゃない?て話した。
    梶:(笑)
    み:ほんと今日(熊本Navaroでのライブ)は取り返す勢いでね。山本精一さんのライブってすっごい静かな日とすっごいノイズの日とあるやん。そんな感じで、(miu mauのライブは)梶原さんが今日はどう出てくるか(どんな演奏をするか)っていうそれだけが楽しみでmiu mauはやれてるなって。
    高:百蚊と共通するところあるよね。未知数。
    梶:それにあわせてたら、、、相当申し訳ない。
    み:高松の時、「見知らぬ場所で」
    高:え?どこで?
    み:あ、いやいや「見知らぬ場所で」で。
    高:あー、曲名ね(笑)
    み:(笑)なんか、梶原さんがなかなか弾かないから、堪え兼ねてまさみちゃんがコード弾き出して。しかも変なところで急にじゃーんってコードが鳴り出して。しかも突然(笑)めちゃ面白かった。堪え兼ねたんだね。ここでねって(笑)
    梶:なんか、その曲(見知らぬ場所で)も始めは弾きよったけど、えらい狂ったような音がしてて。
    高:シンセベースも(音程が)狂っとたかもしれん。
    梶:いや、でも、揺らぎがある音使いよったっちゃけど。はじめに変な音が出よったけん、下手に弾かん方がいいなと思って。
    み:「プーン」って最初だけ音鳴りよったけど、止めちゃったよーーって(笑)
    梶:心が折れたかも
    み:(笑)
    梶:入りきらんかったね(笑)
    み:(前後に)曲間あった方がいいの?
    梶:いやぜんぜん大丈夫。心の問題 (笑)

     

     

     

     

    高:百蚊とミウマウの違い。実はみんなとても聞きたいことじゃないかと思うのだけど。もちろん背負ってるものも、音楽も違うから、違いはあるだろうけど、スイッチを入れ替える瞬間みたいなの知りたい。
    み:緊張してるよね
    梶:3人と4人は違うね。でもどっちも難しいけど。あ、使ってるギターは違います。きっぱり分けてます(笑)
    み:んー、そうなんだ〜。音が違うの?
    梶:百蚊で使いよる方はパンチがあるやつを使って、miu mauではソフトな感じを出したりできるやつを使ってます。
    高:私はギターの事はぜんぜんわからんけど、ひろみちゃんがいつも色々駆使しながら音を作ってるのは伝わってる。
    梶:うん。それがうまく行けば(笑)でも緊張で(笑)
    高:みわこちゃんはオクポ(オクムラユウスケ+NOTSPORTS)や百々さん(MO’SOMETONEBENDER)のソロで一緒に演奏してるけど、何か意識してるところは?
    み:うん。全然違うね。私、基本はばしばし叩く人やけど、ミウマウの時はオープンリムショットを使わないようにしてる。ここぞという時だけ使うようにしてる。最初のアルバム録ったときは常にオープンリムショットを使って演奏してるから、録り直したい(笑)
    高:なるほどね。2人とも色々使い分けながらmiu mauの音が生まれてるんだね。
    何気にmiu mauも10年以上経っているけれど、長くやってきたから見えてきたこととかある?
    み:大台ね。
    梶:距離感かな。
    み:miu mauは落ち着いてる。あんまりバラバラな感じもなく、ほどよい感じが居心地がいい。
    高:私はお二人に甘えてばっかりよ。
    み:この3人はとても居心地がいいんです。
    梶:女性三人だし、見た目は大事だなと思う。衣裳あわせたりするのは、女子ならではだよね。
    み:そういうのわくわくするよね。miu mauって女3人ってあんまり意識したことなかったけど、衣裳とか女ならではだよね。
    梶:歳を重ねる度に、どう女子感を見せて行くのかって悩みどころでもありますな。
    み:10年前とは明らかに違うよね。
    高:好きなものとどう折り合いをつけていくのかって難しいよね。
    み:その度合い難しいよね。
    梶:凄い人(年齢を感じさせない人)は、色々必死にがんばってるよね。老けない秘訣!
    み:これ(音楽)やってなかったらどんどん老け込んでただろうなって。
    TVで言ってたけど、わくわくしてる時間は歳を取らないって言ってた。毎日が楽しいです。


    miu mau New Album [ Drawing ] 2017.7.19 on sale
    VYBE MUSIC / ULTRA-VYBE
    Release Infomation
    http://miumaujapan.blogspot.jp/2017/06/new-album-release.html

     

     

    【憧れのヒロイン】

    高:話飛んじゃうけど「記憶とヒロイン」というタイトルもつくので、好きな映画とか、俳優さんとか教えて欲しいな。

    み:うーん、誰だろう、、、あとから、あれ言えばよかったって思い出すんだけど、その思い出すのが何年後みたいな感じになっちゃう。
    高:みわこちゃんは大河ドラマかな?「篤姫」とか?
    み:大河ドラマにはまったのは「篤姫」だけど、今のめっちゃ好き。
    高:「直虎」だったよね。大河ドラマファンっていうのはmiu mauの中では周知のことだけどね。ひろみちゃんは?
    梶:「記憶とヒロイン」といえば、昔の映画のイメージがあるんだけど、
    高:そうだよね。「色を纏う」は、アンナ・カリーナが演じる赤い服を着たヒロインへ憧れる人がイメージ。
    梶:マレーネ・ディートリヒとか。
    高:わあ、昔の女優さんだね。ひろみちゃんも私もツインピークス好きよね。
    梶:ツインピークスに出てくるホテルの娘役のシェリリン・フェン。
    高:私役名しかわからんけん、俳優さんのお名前知らんかった。
    梶:ツインピークスで好きになったちゃけど、女の子っちゅう感じがいいよね。
    高:ツンとした感じがいいよね。青春映画に出てきそうな。
    梶:色気があるよね。小悪魔的なね。
    高:何か影響を受けたところはある?
    梶:そんな風になりたいと思ったことはあるけど、なれるはずもなく(笑)
    高:miu mauの曲って映画をイメージしてる曲が割とあって。1stの「退屈な日のシネマ」のそうだし、「Monochrome」も映画みたいな世界観なんだけど、シェリリン・フェンのような小悪魔的な女の子をイメージして作ってる。
    高:影響を受けた年上の女性ってどんな人?
    梶:私はマドンナですな。
    高:即答だね。今でも超現役だよね。
    梶:そこが素晴らしい。
    高:あのスタイル。あのダンスの切れ!
    梶:そう、それ(笑)あれは努力の賜物だよね。
    高:マドンナの普段の食事を担当していたプライベートシェフが日本人の方で(西邨マユミさん)、
    み:すげえー。
    梶:いつからかマクロビになったらしいけど、日本人とは。。日本食はそれだけすごいんだね。
    高:みわこちゃんは?
    み:えー、誰だろう、、まさみちゃんは?
    高:私はパティ・スミス。
    み:あー、前から好きだよね。
    高:音楽もだけど、もう存在として凄い。
    み:うーん、私ぱっと出てこない。。誰だろうね。。メモっとけばよかったね。高校の時の卒業アルバムの憧れの人を書く欄には、義理の姉って書いた。義理の姉、めちゃくちゃ好き。
    梶:素敵な人なんやね。
    み:自分と真逆の性格の人に憧れる。無いものねだりなのかな。自分の世界を持っていて、周りすらも説得して突き進むみたいな人に憧れるけれど、自分とは真逆すぎて、そうなりたいとは思わないけど。
    高:マドンナとか、パティ・スミスもそうだけど、自己存在価値がきっと高いんだろうなと勝手に思ってる。自己肯定を意識しているというか。ちゃんと自己肯定できる人に憧れる。若い時はそんな事無かったけどなぁ。
    み:若い頃から今もナルシストみたいな人は嫌いやけど、だんたん丸くなっていくおじさんおばさんめっちゃ好き(笑)
    高:もうこの発言がおばちゃんだなぁと思うけど、今の若い世代の人たちの視点にとっても興味ある。
    み:環境的に、若い子たちの話を聞く事多いけど、(音楽を聞きながら)声だけ聞いて、これだーみたいな事よく言ってる。最近はRADWIMPS人気あるね。
    高:「君の名は」映画館で見たよ。姪から聞いたけどみんな見てるそうで驚いた。見た?
    梶:いや、見てない。予想じゃない感じって噂には色々聞くけどね。
    高:そうだね。ラブストーリーだからみんなきゅんきゅんするんだね。
    み:ふうん。そうなんだぁ。
    この間ね、今やってる大河ドラマのタイトルがね、「ぬしの名は」だったよ。
    —–  一同爆笑  —–

    2017. 6/10 熊本Navaro   —  Thank you! BEATPOD

     

     

    【後記】
    こんな音楽がやりたいというとても具体的なイメージをもって、2人に声をかけて始まったのが2006年。流行の音楽やメインストリームとはあまり接点がないけれど、miu mauはのんびりながらも育っているという実感がある。時が過ぎていく中で、miu mauの音楽を作ろと取りかかるたびに、私は3人が奏でる音の風景をイメージする事が強くなった。メンバーの2人にまず最初に音を届けたくて、音楽を作っている。デモを聴いてもらう瞬間が何よりドキドキするかもしれない。10年の時を経て、miu mauという音を奏でる集団は、それぞれの価値観を重ねながらひとつの映画を作っている感覚に近いと思うようになった。曲という脚本のような台本のようなものがあって、3人が色んなアイデアを用いて、別人になったり、自分の顔を覗かせたり、アドリブを重ねながらとてもとてもポップな作品を描いている。どこかで誰かの生活の一部になってもらえたら嬉しく思います。(高島)

     

     

     

    miu mau

    http://twin-ships.com/miumau/

     


      

      

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